Dorcus taurus (Fabricius,1801)
タウルスヒラタクワガタ
スンダランド〜フィリピン周辺に産し、Typelocalityはスマトラ。Maesはボルネオ産をssp.subtaurus Maes,1992 としているが、スマトラ産自体変異が大きいので大型小型を問わず区別しにくい個体も多い。
タウルス
Simeulue I
タウルス
マレー Cameron Highland
Laos 産ラベル
原名亜種で良いと思う
タウルスlaos
Laos
taurus
Nias I.
taurus
Crocker Range
taurus
Sabah Borneo
taurus
Kimanisu
taurus
Kimanisu
ssp.gyphaetus (Castelnau,1840)
ジャワ



taurusujawa
Jawa

ジャワで 虫を買い付けると余程大量に入荷するらしく、某店で他の甲虫を買ったときに「クッション用」と称してふたつかみ分くらいのタウルス飴包みを入れてもらった ことがある。

ssp.cribriceps Chevrolat,1841
フィリピン

taurusuminndanao
Mindanao I
tau_samar
Samar I.


ssp.moinieri (Lacroix,1984)
(パラワン島)
タウルスpalawan
Palawan I
 大図鑑によれば、ssp.moinieri はミンダナオ産で記載されたが、同様の特徴を持つ個体群はパラワンからしか得られていないとのこと。
仮にTypelocalityが違っていても、記載そのものは有効。


ssp.jampeanus Mizunuma,1994
タナジャンペア島
タナジャンペア特産亜種。基部の内歯が突出する。
tau_tanah
Tanah Jampea I.
tau_tanah
Tanah Jampea I.


Dorcus cofaisi (Lacroix,1984)
コファイスヒラタクワガタ
BE−KUWAでは暫定的処置なのか独立種扱いで図示されていたが…。まず間違いなくtaurus の一型だろう。
タウルス
Camelon Highland



Dorcus mirabilis (Parry et Westwood,1864)
ミラビリスヒラタクワガタ
 マレー半島・スマトラ・ボルネオ
ミラビリス
Lampong Sumatra I.
mirabilis
Lampong Sumatra I.
mirabilis
Mt.TrusMadi Borneo
mirabilis
Mt.TrusMadi




Dorcus ghiliani Gestro,1881
ギリアンヒラタクワガタ
Barat Daya諸島:ダマル島・カイ島 『カイ島』もいくつかも島が集まっているので『カイ諸島』と表記されることがあり、その場合には産地がNunucut島 となっていることが多いようである。ブル島からも記録があるが、少なくとも近年は得られていない。
ギリアン
Kei Is
ギリアン
Kei Is
ghillian
Kei Is

Dorcus townesi (DeLisle,1972)
タウネスヒラタクワガタ
次のlachnosternus と同じ島に産し、大きさも体型も似ているのにこちらは普通種でlachnosternus は大珍品。いったい何が違うんだ?
townesi
Negros I.
townesi
Negros I.


Dorcus lachnosternus (DeLisle,1972)
ラクノステルヌスヒラタクワガタ
原名亜種はネグロス島・パナイ島に産する。図示したルソン島産はssp.lumawigorum (Arnaud et Lacroix,1991)
lacno_luzon
Kayapa Luzon
lachnosternus
Kayapa Luzon
lacno
Kayapa Luzon

Dorcus saiga (Olivier,1789)
サイガヒラタクワガタ
サイガ
Seram I.
saiga
Buru I.
サイガ
Buru I.
saiga
Ambelau I.
saiga
Gorom I.
← ラベルでは表記の島になっているが、これはGorong島のオランダ統治時代の綴りらしい。


Dorcus egregius (Möllenkamp,1897)
エグレギウスヒラタクワガタ
エグレギウス
Bulolo Papua
(暫定画像:拡大)
egregius
Timika



nitidus
P.N.G.
左の個体はDorcus nitidus Kirsch,1877 に相当する個体のようで、体長は約22mm、 エグレギウスの小型個体ではないかという気がするが、上記Timika産程度の大きさ(30mmほど)との中間個体が見つけられず、結論を出せていない。 nitidus頭部
頭部拡大
 複眼後方の突出が少し甘いかな
Dorcus intermedius (Gestro,1881)
インターメディウスヒラタクワガタ
ニューギニア島からソロモン諸島にかけて広い分布域を持つ。ソロモン諸島には次種pilosipes とされる個体群が分布しているが、混棲している島はないようである。また、島によっては内歯の位置などに変異が見られるが、意外に多くのDorcus 属が分布するこのエリアからは小型個体によって記載された種もあり、整理はあまりなされていない。
インターメディア
Bismark Is.
Dorcus planithorax (Bomans,1987)
という見方もある。
イリアン産
Mt.Arfak
intermedius
Solomon Is.
サイガヒラタ
Karas I.
intermedius
Kolombangara I.
intermedius
Malaita I.


intermedius
Biak I.
ntermedius
Biak I.
ntermedius
Biak I.
小 型個体でわかりにくいが大図鑑で指摘されているように、ビアク島の個体群は最大の内歯の位置がやや先端に近づく特徴を持つ。
Dorcus pilosipes (Waterhouse,1883)
ソロモンヒラタクワガタ
 Didier&Seguy(1952)やBenesh(1960)ではLocalityはソロモン諸島だが、Krajcikのカタログによれば Type localityはソロモン諸島サンタ・アナ島となっており、同様の特徴を持つ個体がガダルカナル島からも得られている。内歯の位置が少 し異なるもののDorcus intermedius グループであることは確かで、亜種関係と考えても良いと思う。島ごとの詳しい分布はまだ調査が行き届いていないが、周辺の個体群と明らかに区別できるので あれば、Dorcus egregius (やはり内歯の位置以外大きな差がない)と同じく独立種扱いも可能だろう。
pilosipes
Guadalcanal I. Solomon Is.



Dorcus ternatensis (Tomson,1862)
テルナテヒラタクワガタ
バチャンやマンディオリなどからも記録がある。日本産ヒラタだったら絶対亜種にされている程度の差は見られるが、『Celebes Menado』産で記載された Dorcus urocephalus がどう見ても本種であり、この扱いによっては亜種名として生きる可能性もある(記載以来スラウェシからは本種の記録がなくラベル記載の間違いの可能性が高 いが、上記Dorcus taurus moinieri で書いたように、産地が違っていてもタイプ標本としては有効なため)。
テルナテヒラタ
Halmahera I.
カシルタ
Kasiruta I.


Dorcus detanii Mizunuma,1994
デタニヒラタクワガタ
現在までのところSula諸島のTaliab島からのみ得られている。
detani_taliab
Taliab I.
detani_taliab
Taliab I.


Dorcus arfakianus (Lansberge,1880)
パプアヒラタクワガタ
このグループの中ではもっと歯型の変化が顕著で、内歯がみられないものから短太な大腮を持つものまで出現し、しかも体長との相関関係がほとんど見られな い。従って、何組かの対立遺伝子で歯型が決定している可能性が言われているが、生体がもたらされているにもかかわらず交配実験の結果は正式には発表されて いないと思われる。
papua
Wau
Arfakianus
Mt.Arfak
arfakianus
Timika

arfakianus
Timika
papua
Aseki
papua
Mt.Arfak

Dorcus furusui Baba,2008
フルスヒラタクワガタ
furusui
Obi I.
オビヒラタ
Obi I.
2008 年に記載されたオビ島の個体群。突出 する頭楯が特徴。
Typeシリーズのうち大型の2頭は烏山コレクション(元藤田和久コレクション)からのもののはずで、滅多に見られない特大型である。

Dorcus wickhami (Waterhouse,1894)
ウイックハムヒラタクワガタ
似たようなグループに感じる個体群でオーストラリア北部に産する。珍品扱いだったが生き虫がやってきて累代飼育に成功し、出回りつつある。
wickhami
Queensland  飼育